「留学中止までの思いと就活への切り替え」ロックダウン世代になった就活生のリアル(2)


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琉球新報Style初となる、学生ライターによる連載が始まります。その名も「ロックダウン世代になった就活生のリアル」。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、インターンや採用試験もオンラインへ移行するなど、就職活動も今までと大きく様変わりしています。そんな新しい日々を手探りで進む学生の皆さんのリアルな感情や、葛藤などを体験記として記していきます。

初めまして!眞榮城茉理です。私は那覇市出身、東京都の私立大学に通う22歳です。アメリカのポピュラー・カルチャー、ファッション、そして日本のアイドルにも興味を持つ少し趣味が多い大学4年生です。今は卒業論文の執筆に必死になって取り組んでいます。私の自己紹介はこれくらいにして、今回の記事を書くにあたって私自身のお話を少しさせていただきたいと思います。

消えた留学の夢

今年、私は休学をして留学する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で留学を中止し、現在の大学3年生(2022年卒)と同じ就活スケジュールで、いちから就職活動をスタートすることになりました。そこで今回の記事は、留学を中止して就活に切り替えていくまでの過程をつづりたいと思います。

私は、2021年1月から服のスタイリングを学びにアメリカのニューヨークに留学する予定でした。私は服のコーディネートを考えるのが好きで、そして英語力を高めたいという理由から昼は語学学校に通い、夜は州立大学で専門的なスタイリングの知識を学ぼうと考えていました。そんな中、留学の準備が本格的になってきた今年3月に日本でも新型コロナ感染症の影響が大きく広がってきて、留学予定先のアメリカも感染者数が増大していました。当時の私は新型コロナウイルスについて何も知らず、「すぐに情勢は良くなるだろう」という甘い考えを持っていて、留学を中止するという考えはありませんでしたが、状況は悪くなるばかりで数ヶ月どころか、明日の状況さえも見えない生活が始まったのです。

「おそらくこのままでは留学は中止になるだろう」と頭の中では理解していながらも、なかなか次の行動に移すことができない日々が続きました。渡米できる時期を待って、留学ができるまで待とうと考えたこともありましたが、この状況がいつ良くなるかもわからず、そして感染症が流行している中、今は海外に行くことはできないという判断を下し、泣く泣く留学を中止することにしました。

置かれた状況と冷静に向き合う

留学中止を決めた時は「進むべき道が間違っていたのかな」と自分自身を否定し、先行きがわからない状況に不安が膨らむ毎日で、正直初めて未来が見えなくなりました。それと同時に当たり前だと思っていた毎日はかけがいのないもので、好きなことができることや、将来について考え行動できることは幸運なことだったのだと身にしみて感じる機会にもなりました。

「新型コロナウイルスの影響を受けていない人は、この世界で誰一人といない」と気づき、私は今置かれているこの状況で与えられていることに真剣に向き合わなければいけないと考え、一刻も早く停滞している気持ちを前に進めたかったこともあり、大学の授業や英語の勉強、卒業論文の執筆に力を入れて過ごすようになりました。

留学したい気持ちはまだ捨てられずにいましたが、家族や友人たちにも相談しながら、これからのことを考えると就職に向けて動くことが今できる最善策であり、「社会人になっても留学するチャンスがなくなるわけじゃない」という声に背中を押され、就職活動に向き合うというマインドに切り替えることができました。
 

苦手なものを知ることで、得意なことも知ることができる

典型的かもしれませんが「自分は何がしたいのか」という疑問は、就職活動を始める人にとって一番初めに浮かびあがる自分への問いではないでしょうか。大学に入った頃は、「大学生活の中で、情熱を捧げたいことが何か見つかるだろう」と、今思えば甘い考えで将来について想像していましたが、就職活動を始めようという時期になった今、それはいまだに答えがわからないままです。

ついには検索サイトで「自分は何がしたいのか」と検索し、私以外の人はどうやって自分の好きなことを探したり、見つけたりしているのかを調べたりもしました。興味のあること、好きなことはもちろんあるけれど、それらをどのように就職と結びつけて考えるか、それとも得意なことを活かせる仕事を選んだ方がいいのかなど就職に関する様々な選択肢が頭の中で交錯しています。

そんな中、この疑問に対してたくさんの人に相談している時にある人に「何がしたいかわからなければ、自分がこれはできないとか苦手なものは何かをまず考えるといいよ」とアドバイスをいただきました。私は今まで、「得意なことを活かしながら、好きが原動力になる仕事をしたい」という気持ちが強かったので、この考え方は目からうろこでした。つまり、自分の弱点や苦手なものを認識することで、自分の強みや好みがより明らかになるということなのかなと思いました。

自分の苦手とするものや弱みだと感じている部分を、逆に活かしてチャレンジする就活も一つの選択だと思います。そういった環境がその人を成長させる機会になり得ると思うからです。また、自分が選んだ仕事であっても必然的に苦手なことや向いてないと思うことに出会う可能性はゼロではありません。それは自分の成長のためには必要な過程です。私はそのような自分にとって大きなチャレンジの場がたくさんあったとしても、この仕事をしていた良かったと何度でも思える道に進みたいと考えました。

このアドバイスを貰い「自分は何がしたいのか」という直接的な答えは完全には見つかってはいないものの、どのような志を持って、どのように働きたいかということが明確になりました。
そのような、私が就職する上で「大切にしたい価値観」を改めて確認しながら、今は志望する業界や企業をじっくりと見て自分の進みたい道を模索中です。インターン選考、エントリーシートの書き方や面接対策の就活講座を受けたり、筆記試験対策をしたりとまだまだやるべきことはたくさんありますが、自分で納得できる道を歩むためにできることを最大限の努力をしていきたいと思います。

プロフィール 
眞榮城茉理。
那覇市出身東京都在住。大学では欧米の歴史や文化を中心に学ぶ。洋楽とアイドルを愛する22歳。22年卒に向けて就活中。読んでくださった方が前向きに将来について考えるきっかけになれるような記事を書けるように大学4年生等身大の私自身の体験や思いなど発信できることを日々模索中。