<未来拓くうるまの宝>下 観光PRを強化 市民の主体性、発展の鍵


この記事を書いた人 外間 聡子
観光資源としての活用が模索される闘牛=8日、うるま市石川多目的ドーム

 世界遺産勝連城跡、海中道路、闘牛、エイサー。うるま市が観光施策で主軸におく四つだ。海中道路で結ばれた伊計、浜比嘉などの島しょ地域には昔ながらの集落が広がる。市商工観光課は「市外、県外をターゲット」(目取真康裕係長)に「うるま」の認知度を高めるための施策を展開。フェイスブックや観光誌への発信に力を入れた。

 文化資源の活用も模索している。うるま市商工会は観光に闘牛を活用するため「闘牛文化リマスタープロジェクト」を実施した。

 8日に市石川多目的ドームであった秋の全島闘牛大会では、初の県外モニターツアーとして東京や福岡から5人が参加した。闘牛大会を観覧し、牛舎での飼育体験もした。商工会は地域経済の活性化に向け、地元レストランと連携した市特産品使用の「闘牛弁当」なども考案している。

 同ツアーで初めて闘牛を見た東京都の経営者森川勇一郎さん(41)は「巨体がぶつかる激しさは想像以上だった。闘牛に懸ける地元の熱意も感じた。国内外からの観光プログラムになる可能性は大きい」と興奮気味に話した。

 一方、市は2025年度をめどに80億円をかけて勝連城跡周辺を整備する計画を立てる。現存するユビタ(池)を整備した「ももと池エリア」ほか、自然観察エリア、水辺のカフェなどを有する交流エリア、史料館などの文化観光エリアといった7エリアを設定する。

 今後の地域活性化に向けては中城湾港へのクルーズ船就航の実現や、同じ東海岸にある与那原町のマイス施設開設の波及効果にも期待している。マリンレジャー客でにぎわう海中道路、半世紀ぶりのマーラン船の復元などの展開にも注目している。

 市は来年度で現在の観光振興ビジョンの期限が切れることも踏まえ「市民の観光に対する思いを調査することも必要」(目取真係長)と話す。地域の歴史や文化をどう活用するか。主体的なまちづくりへの市民の関わりが未来を左右する。
(宮城征彦・東江亜季子)

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 新報移動編集局「うるまウイーク」地域づくりフォーラム「うるま市の宝(ひと・もの・ぶんか)を考える」は13日午後2時からうるま市民芸術劇場で開かれる。