【国頭】3月に大相撲春場所で初土俵を踏み、順調に出世を続けている宇良(23)=本名・宇良和輝、大阪府生まれ、木瀬部屋=の父・辰美さん(58)の出身地・国頭村宜名真区で、宇良の取組があるたびに親戚や住民らが集まってテレビ観戦し、熱い声援を送っている。
5月の序ノ口優勝の際、区は泡盛の記念ボトルも売り出すなど、区を挙げて熱烈な応援態勢を組み、宇良の活躍が住民らの喜びになっている。
初の幕下で臨んだ11月の九州場所は7戦全勝の結果を残した。22日の千秋楽。同じ7戦全勝で同部屋の1年兄弟子・芝との間で優勝決定戦が行われ、宜名真では祖父・繁さん(85)の自宅に親戚らが集い、固唾(かたず)をのんでテレビ放送を見守った。
2分40秒の長い相撲となり、激しく競り合ったが惜しくも敗れると、親戚一同は残念そうな表情を見せつつも奮闘に拍手を送った。小兵ながら業師として注目されている宇良は、来場所は幕下上位が濃厚で、新十両の可能性も残す。
親戚や住民らは、インターネットなどを通し、宇良の情報を収集するのが大きな楽しみになっている。
優勝決定戦を見守った祖父の繁さんは「(宇良の取組で)今まであんなに長い時間の相撲はなかった。残念だ」と悔やみながらも、これまでの孫の活躍に「これからも応援する。さらに上まで進んでほしい」と期待を込める。祖母・幸子さん(80)は「今回は負けたのは残念だが、いつも応援するのが楽しい」と笑顔を見せた。
宜名真区の山入端立全区長は「泡盛の記念ボトルは、追加も含めて700本から800本を販売し、評判が良い。(宇良の活躍は)住民にとっても大きな心のよりどころだ。幕内を目指し、息長く頑張ってほしい」とエールを送った。
(古堅一樹)