<南風>泡盛新聞にできること


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 前回、泡盛新聞では泡盛コンテストという、キャッチーなイベントをすることで、これまで泡盛を知らなかった人や泡盛と聞いただけで敬遠していた人、あるいは興味のなかった人たちに泡盛の美味(おい)しさやその存在を教え、さらにそれを続けることが潜在的な泡盛ファンの掘り起こしにもつながるのではないか、ということを書いた。

 自画自賛になってしまうが、この泡盛コンテストが素晴らしいのは、ただ単に試飲をして、どの銘柄が美味しいかを選ぶだけではなく、参加者に無記名アンケートをお願いし、出身地や年齢、性別、飲酒の頻度、ワインや日本酒、ウィスキーや焼酎といった好みの酒類などを記入し、お酒の嗜好に関するいろいろなデータを蓄積していることにある。

 これまでに2千人以上のサンプルデータが集まっており、ある程度、好みの泡盛の傾向が分かるようになった。年代別でいえば20代だとあっさりとした軽やかな飲みやすい銘柄、30代40代だと甘い香りとしっかりとした飲み口の銘柄、50代60代だと芳醇な香りと厚みのある味わいの銘柄がデータから読み取ることができる。

 泡盛新聞ではこれらを基に今後もコンテストを続け、さらなるデータを蓄積して誰でも簡単に好みの泡盛が選べる「泡盛ソムリエシステム(仮称)」を開発中である。「私は関東出身で20代女性、ワインが好きで週に1度は飲んでいる」と入力すると、収集したデータをもとにウェブ上におすすめ銘柄を紹介されるというもの。

 現在は第2期泡盛コンテストを開催しており、今では3千近くまでデータは集まっているが、まだまだ十分とはいえない数である。コンテストの日時は非公開だが、主にトランジットモールでやることが多い。もし、国際通りを散歩中、見かけたときは遠慮なく参加してもらいたい。
(嘉手川学 沖縄ふうどライター、沖縄泡盛新聞編集委員)