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沖縄女流美術展が50周年 9月17~22日、那覇で展示会 山あり谷あり、切磋琢磨で交流育む 沖縄


沖縄女流美術展が50周年 9月17~22日、那覇で展示会 山あり谷あり、切磋琢磨で交流育む 沖縄 来場を呼びかける上原成美会長(前列左)、仲本和子さん(同右)、くぎもと潮路さん(後列左)、真栄田文子さん=2日、那覇市の琉球新報社
この記事を書いた人 Avatar photo 当銘 千絵

 沖縄女流美術家協会(上原成美会長)が主催する沖縄女流美術展(17~22日、那覇市民ギャラリー)が今年、50周年を迎える。展示会を始めた当初、美術界は男性中心で、女性が芸術活動に励むにはさまざまな制約があったという。だが、新しい価値の芸術創造を目指し、地域文化の発展に役立ちたいとの思いから、女性美術家同士が励まし合い、地道な活動を継続してきた。本展の開幕を目前に控え、会員らは「先輩方のおかげでここまでこれた。例年以上に皆、気合を入れて準備をしている」と意気込みを見せる。

 同展の始まりは、当時は少なかった女性美術家の作品発表の場を設けようと、1974年にリウボウ主催で開かれた「郷土の女性作家による絵画展」だった。77年には久場とよさんや宮良瑛子さんらが中心となり沖縄女流美術家協会を結成、美術展も「沖縄女流美術展」と名称を変えた。

 その後も定期的にデッサン会を開いたり、東日本大震災の際にはチャリティーを行ったりと幅広い活動を展開し、会員らは互いに技術を高め合いながら交流を育んできた。最近では若手メンバーも加わり、現在は20~80代の会員40人が切磋琢磨(せっさたくま)している。

 2日、初回から同展に参加する上原会長、仲本和子さんと、会員の真栄田文子さん、くぎもと潮路さんが琉球新報社を訪れた。仲本さんは「50年前は女性が絵を描くにはさまざまな制約があったが、女性特有のおおらかさがあったからこそ各会員が伸び伸びと活動を続けられ、会も存続することができた」と振り返る。上原会長は「山あり谷ありの50年だったが、会員のレベルは格段に上がっている。ぜひ、日頃の成果を多くの人に見ていただきたい」と呼びかけた。

 本展では絵画や彫刻、インスタレーションなど約40点を展示する。また、同展の50周年記念誌も刊行する予定だという。

 (当銘千絵)