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米FRB金利据え置き 議長、来月利下げに慎重


米FRB金利据え置き 議長、来月利下げに慎重 米金融政策のポイント
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 【ワシントン共同】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は1月31日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)で、主要政策金利を5・25~5・5%に据え置くことを決めた。据え置きは4会合連続。市場では2022年3月からの利上げ局面が終わったとして、早期利下げへの期待があるが、パウエル議長は次回3月会合での利下げに慎重姿勢を見せた。
 声明で「物価上昇率が(目標とする)2%に持続的に向かっているとの確信がより強まるまで、利下げは適切ではない」と強調。昨年12月の前回会合後に公表した経済見通しでは年内に3回の利下げを見込んだ。市場では3月にも利下げするとの見方があり、けん制した形だ。
 日銀はマイナス金利解除を含めた大規模金融緩和修正に前向きとされる。FRBの利下げは日米金利差の縮小から円高につながりやすく、日米の金融政策は外国為替市場に大きな影響を与える。
 パウエル氏は会合終了後の記者会見で、政策金利について「ピークに達している可能性が高い」とした。
 一方で利下げ開始の判断には「より多くの証拠が必要だ」とし、今後の経済指標を踏まえて判断する姿勢を堅持。次回会合で利下げに踏み切る可能性は、現時点では「高いとは思わない」と述べた。
 ただ市場ではなお、次回会合での利下げ開始を予測する向きもある。
 パウエル氏は足元の経済情勢について、堅調な雇用情勢などを踏まえ「全体としてかなり良い状況だ」と分析。景気後退を避けつつ物価上昇率を抑える「軟着陸」実現に自信を示した。
 会合では、米国債などの保有資産の縮小を続けることも決めた。

<用語> 米連邦準備制度理事会(FRB) 米国の中央銀行に当たる組織で、略称は英語の「Federal Reserve Board」の頭文字。物価安定と雇用の最大化が責務。金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を原則年8回開き、政策金利の上げ下げなどを議論する。パウエル議長が2期目を務めている。