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リモート勤務者滞在長く 在留資格新制度設立へ


リモート勤務者滞在長く 在留資格新制度設立へ 外国人「デジタルノマド」に付与される在留資格と主な要件
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 出入国在留管理庁は2日、働く国や場所を選ばず、ITを活用してリモートで勤務する「デジタルノマド(遊牧民)」と呼ばれる外国人が長く日本で活動できるよう、一定の要件で、半年滞在可能な「特定活動」の在留資格を認める新制度案を公表した。国内での消費拡大などが狙い。3日からパブリックコメント(意見公募)を実施し、年度内の制度化を目指す。
 デジタルノマドの外国人は現在、観光客らに付与され90日まで滞在できる「短期滞在」などの在留資格で入国。新制度は、日本への査証が免除され、租税条約を締結している49の国・地域に住み、年収が1千万円以上見込めることなどを要件に、特定活動の資格を付与する。扶養する配偶者と子どもを伴うことも認める。
 入管庁によると、米旅行情報サイトの調査で、デジタルノマドは世界に3500万人以上いるとの推計がある。経済界が呼び込みの拡大を要望し、政府は昨年6月に閣議決定した「新しい資本主義実行計画」で、より長期の滞在を認める方策を検討するとしていた。
 小泉龍司法相は2日の閣議後記者会見で「デジタルノマドは国際的なリモートワーカーで、イノベーションをつくり出す源になる能力を持っている。各国が取り込みに向けて動いており、日本でも活動してもらいたい」と期待感を示した。
 在留資格 外国人が日本に滞在し活動するために必要な資格。就労が可能なものは「高度専門職」「技能実習」「特定技能」などがあり、それぞれ在留期間を定めている。「特定活動」は、多様化する活動に柔軟に対応するために設けられ、外交官の家事使用人やワーキングホリデーで滞在する外国人らに付与されるなど対象は幅広い。必要性などに応じ、最長5年まで許可される。