「ビジョン・プロ」米で発売　アップルのゴーグル型端末　普及なるか、５２万円から

　【ニューヨーク共同＝隈本友祐】米アップルは２日、同社で初めてとなる拡張現実（ＡＲ）対応のゴーグル型端末「Ｖｉｓｉｏｎ　Ｐｒｏ（ビジョン・プロ）」を米国で発売した。新分野の大型商品は２０１５年に発売した腕時計型端末「アップルウオッチ」以来。ゴーグル型端末の普及を後押しするかどうか注目が集まっている。価格は３４９９ドル（約５２万円）から。
　ニューヨーク市のマンハッタン中心部の旗艦店では午前８時の開店前に約２００人が列を作り、入り口でティム・クック最高経営責任者（ＣＥＯ）が来店客を迎えた。店内では予約客が続々と装着し、目や指の動きだけで操作できる技術を体験した。受け取るために英国から来たハドソンさんは「手だけで自由自在に使えるのが素晴らしい。目の前の巨大なスクリーンで映画を楽しみたい」と興奮気味に話した。
　１月１９日に予約を開始し、米メディアによると初回出荷分は完売した。米国以外の国・地域では今年後半の発売を予定しており、米メタのゴーグル型端末「クエスト３」などと競合する。
　ビジョン・プロは、装着すると現実の視界の中に浮かんでいるような巨大な画面が登場し、臨場感のある映像やゲームが楽しめる。アップルはｉＰｈｏｎｅ（アイフォーン）用などの１００万を超えるアプリを対応させた。ＡＲを楽しめる専用ソフトの充実が普及に向けた課題となる。

購入者と話すアップルのクックＣＥＯ（中央右）＝２日、米ニューヨーク
アップルストアの店頭に展示されたビジョン・プロ＝２日、米ニューヨーク