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中小事業承継に ソーシャル融資 みずほ、国内初


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 みずほ銀行は3日までに、中小企業の事業承継の手続きで「ソーシャルローン」と呼ばれる手法の融資を実行した。社会課題の解決を目的とする事業や取り組みに特化した融資で、事業承継への適用は国内初という。
 事業承継を行うのは賃貸用マンションの建築・施工を手がけるリンク・トラスト(東京)。創業者が次世代へ経営のバトンを渡す時期を迎え、役職員の自社買収(MBO)による事業承継を決めた。融資は、株式を取得する際の費用に充てる。
 「ソーシャルローン原則」で定められる資金使途に適合するかどうかが鍵だった。後継者難による中小企業の自主廃業が深刻化する中、雇用の維持・創出に資することを理由に、第三者評価機関の格付投資情報センター(R&I)から適合すると認められた。
 定年を超えて働く場合も給料が下がらない仕組みや、現場で外国人や女性が活躍していることも評価された。ローンの金利優遇はないが、リンク・トラストは社会課題の解決に取り組む企業としてPRすることができるという。