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TSMC、熊本に第2工場/半導体/第1工場と計3兆円投資


TSMC、熊本に第2工場/半導体/第1工場と計3兆円投資 熊本県菊陽町に建設された台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場=2023年12月
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 【台北共同=渡辺靖仁】半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は6日、熊本県に先端半導体などを生産する第2工場を建設すると発表した。2024年末までに着工し、27年中の稼働開始を目指す。第1工場と合わせた総投資額は200億ドル(約3兆円)超の見通し。トヨタ自動車も、工場を運営するTSMC子会社「JASM」に2%出資し、供給網強化につなげることを狙う。
 第2工場は同県菊陽町の第1工場の近くに立地するとみられる。第1工場は2月24日に開所式を行う予定。半導体の生産拠点として熊本の存在感が高まるとともに、日本政府が推進する半導体の生産基盤強化にも弾みがつきそうだ。
 第1工場と合わせ、自動車や産業用などの回路線幅6~40ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の半導体を製造する。二つの工場で先端技術を持つ3400人以上の雇用創出が見込めるとしている。TSMCは第2工場の建設で「サプライチェーン(供給網)の効率化」が期待できると強調した。
 トヨタは、自動車向けなどに40ナノメートルの半導体の調達強化を目指しており、出資の決定に関し「熊本に安定した供給元を確保することは、自動車産業の強靱化(きょうじんか)にもつながる」と期待している。第1工場は年内に量産を開始する予定で、JASMが約86億ドルを投資し、このうち政府が最大4760億円を助成するとしている。