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物価目標の確度 「高まっている」 日銀副総裁


物価目標の確度 「高まっている」 日銀副総裁 奈良市で講演する日銀の内田真一副総裁=8日午前
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 日銀の内田真一副総裁は8日、奈良市で講演し、賃金の上昇を伴う形で物価上昇率を2%に安定させる目標達成の確度について「少しずつ高まっている」と強調した。重要視する2024年春闘の賃上げは「マクロ的な環境面では昨年よりも強い材料が増えている」と期待感を示した。
 日銀は2%の物価安定目標を掲げ、大規模な金融緩和策を続けている。達成が見通せればマイナス金利解除を含む金融政策の正常化を開始する方針。内田氏は「この先、さまざまなデータや情報を丹念に点検する」とし、具体的な開始時期については触れなかった。
 一方で、金融市場の混乱などを回避するため、正常化を始める前に政策修正の基本的な考え方を説明することが重要と説明。内田氏は、仮にマイナス金利を解除しても、経済や物価情勢を考えればその後にどんどん利上げしていくようなことは考えにくいとし、「緩和的な金融環境を維持していくことになると思う」と指摘した。