沖縄も今後1週間、津波警戒 気象台「避難場所の事前確認を」 南海トラフ地震時、3メートル超の津波の恐れ


沖縄も今後1週間、津波警戒 気象台「避難場所の事前確認を」 南海トラフ地震時、3メートル超の津波の恐れ 南海トラフ地震の仕組みや沖縄への影響について説明する沖縄気象台の職員=8日午後8時、那覇市の沖縄気象台
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 8日午後4時43分ごろに宮崎県南部で震度6弱を観測した地震を受け、沖縄気象台は8日夜、記者会見を開き、沖縄県内で今後、注意すべき点や発生の仕組みなどについて説明した。南海トラフ地震の想定震源域で、大規模地震が発生する可能性が平常時に比べ相対的に高まっているという。気象台は「今後1週間程度、大きな地震に注意が必要だ。沖縄県内も津波警報や注意報の恐れがある。いつ起きても避難できる態勢を取ってほしい」と話し、政府や自治体からの情報に応じた防災対応を取るよう呼びかけた。

 気象台によると、南海トラフ地震の震源域の中で、沖縄に近い南端や西端で大きな地震が起きた場合、約1時間弱で沖縄本島北部に到達すると予想されている。

 内閣府の想定では、南海トラフ地震の震源域で最も大規模なマグニチュード9クラスの地震が発生した場合は、3メートル以上となる津波が沖縄に到達する可能性があるという。

 気象台は①津波の被害が想定される地域では、枕元に非常袋を置いておく②事前に津波の際の避難場所を確認する―などの備えを呼びかけた。

 一方、気象台は「改めて日頃の備えをしてほしいとの趣旨だ。住民の行動を制限するものではない」とも説明した。その上で「大きな地震が発生した場合、大津波が襲う可能性があるので情報に注意し、発表されたらすぐに避難できるように備えてほしい」とした。

 今回、宮崎県南部で震度6弱を観測した地震で沖縄県内では震度1以上の地震は発生しなかった。沖縄県には、若干の海面変動が予想される津波予報を発表していたが、8日午後7時に解除した。

 気象台は近日中に、沖縄から本州など県外へ行く場合は「地震にも注意し、ブロック塀などに近づかず、地盤の悪い所にはなるべく立ち入らない注意が必要」と呼びかけた。