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国の借金最大1286兆円 23年末、物価高対策響く


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 財務省は9日、国債と借入金、政府短期証券を合計した国の借金が2023年末時点で1286兆4520億円になったと発表した。22年末時点から29兆4528億円増え、過去最大を更新した。物価高対策や社会保障費の伸びなどによる歳出膨張を税収などの基本的な収入で賄えず、国債頼みの予算編成が続くのが要因だ。
 巨額の借金を抱えると金利が上昇した際に利払い費が大きく膨らみ、財政運営が一段と厳しくなる恐れがある。政府は新型コロナウイルス禍で膨らんだ歳出を平時に戻す方針を示しているが、物価高対策で給付金やガソリン補助金に巨額の予算を計上するなど支出の抑制が進んでいない。
 国の借金の内訳は、国債が22年末時点より30兆5705億円増の1146兆589億円。このうち償還や利払いに主に税収を充てる「普通国債」は38兆14億円増の1043兆7786億円だった。
 金融機関などからの借入金は177億円減の48兆939億円。一時的な資金不足を補うために発行する政府短期証券は92兆2993億円で、1兆999億円減った。
 財務省は国の借金の先行きについて、23年度末に1339兆円、24年度末に1456兆円に達すると見込む。日銀の大規模緩和の修正を背景に金利は上昇基調にあり、有識者から懸念の声も上がっている。