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物流の多重下請け是正 24年問題 改正法案を閣議決定


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は13日、トラック運転手の残業規制適用で物流の停滞が懸念される「2024年問題」への対応策を盛り込んだ関連法改正案を閣議決定した。低賃金の一因となる多重下請けの弊害を是正するため、元請けの運送業者に下請け状況が分かる管理簿の作成を義務付ける。荷主に荷待ち時間削減を促し、最大100万円の罰金を科す規定も設ける。運転手が適正な運賃を受け取れる環境づくりや長時間労働の改善につなげる。
 政府は、法改正に加え、自動運転トラックやドローン、積み降ろし作業の機械化など新技術も活用して対策を進める。斉藤鉄夫国土交通相は記者会見で「中長期的対策を講じ、物流やわが国の持続的成長を実現していきたい」と述べた。
 運送業界では多重下請けが常態化。元請けが実際に荷物を運ぶ業者を把握できていないケースもある。
 管理簿の作成は、運送体制を可視化し、取引環境を改善するのが目的。実際の運送業者や、何次の下請けかなどを記載し、1年間保存させる。
 仕分けや陳列など契約にない作業を迫られ、対価を得られない業者もいることから、委託時の書面交付も義務化する。