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ダイハツ社長ら5人退任 認証不正 後任トヨタ・井上氏


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 ダイハツ工業(大阪府池田市)は13日、奥平総一郎社長(67)や生え抜きの松林淳会長(69)ら取締役5人が退任すると発表した。後任の社長に親会社トヨタ自動車から井上雅宏氏(60)が就く他、トヨタから2人を副社長、取締役として迎える。3月1日付。車の量産に必要な国の「型式指定」を巡る認証不正は、現場への重圧が招いており、経営体制の刷新で企業風土を改革する。京都工場(京都府大山崎町)では12日、約1カ月半ぶりに生産を一部再開した。
 トヨタによる経営関与を強め、不正を防止する体制を構築することを目指す。新車の開発負担軽減に向け、軽自動車中心の業態への転換も検討する。ダイハツの会長は置かない。トヨタは引責辞任との見方を否定した。
 井上氏とともに東京都内で記者会見したトヨタの佐藤恒治社長は「事業領域の軸を軽自動車に置き、海外事業は企画、開発、生産をトヨタからの委託に変更する方向で検討している」と述べた。ダイハツと役割分担の議論を詰め、詳細を4月に発表する方針だ。
 井上氏はトヨタの中南米本部長で、ブラジルやアルゼンチンで改革に取り組んだ実績がある。井上氏は「最初に社員と直接会話したい。新しいダイハツの再生に向けて、心一つに進むことを目指したい」と強調した。
 ダイハツは、商用車の先進技術を手がけるトヨタなどの共同出資会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」(東京)からの脱退も発表した。
 ダイハツは完成車の認証試験で車両の不正加工などが発覚。昨年12月、国内全ての車工場で生産を停止した。今月9日に開発日程の延長を盛り込んだ再発防止策を国土交通省に提出した。