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CO2貯留に許可制度 排出削減へ新法案


CO2貯留に許可制度 排出削減へ新法案 CCSの仕組み(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は13日、二酸化炭素(CO2)を回収して地下に埋めて貯留する「CCS」の事業環境を整備するための新法案「CCS事業法」を閣議決定し、国会に提出した。試掘・貯留の許可制度の創設が柱となる。ルールを策定することで民間事業者を後押し、CO2排出削減につなげたい狙いだ。
 CCSはCO2に圧力をかけ、液体のような状態にしてから約千メートル超の地中に埋める。2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする政府目標に対し、工場や発電所といった脱炭素化が難しい分野があることから、CCSが期待されている。政府は30年の実用化を目指している。
 貯留に適した地層がありそうな区域を「特定区域」に指定し、事業者を募集する。許可を与えた事業者に地層が貯留に適しているか調べる試掘権や、CO2を埋める貯留権を設定する。
 事業者にはCO2の漏えいの有無を確認するモニタリング義務を課す。試掘や貯留事業が原因で生じた損害の賠償は、被害者救済の観点から事業者の故意・過失の有無にかかわらず責任を負う「無過失責任」とする。
 同時に政府は製造過程で排出するCO2が少ない水素の利用を推進するための新法案「水素社会推進法」も国会に提出した。認定を受けた事業者に助成金を交付するなどして支援する。