ルネサス、米企業を買収　電子機器設計、約９０００億円

　半導体大手ルネサスエレクトロニクスは１５日、電子機器設計のソフトウエアを手がける米国のアルティウムを約９１億豪ドル（約８８７９億円）で買収すると発表した。ルネサスとして過去最大の企業買収となる。電子機器設計の効率化や生産性向上を図ることが狙い。２０２４年中に全株式を取得する予定。
　ルネサスの柴田英利社長はオンラインで記者会見し「成長率が高い会社でありながら、高い利益率を維持している」と買収の意義を強調した。
　ルネサスによると、近年、技術が進んだことで電子機器の設計プロセスは複雑化している。今回の買収によって、機器設計を容易にできるようなサービスを提供し、顧客の製造コスト削減や開発期間を短縮することを目指す。
　アルティウムはオーストラリアで創業、上場しており、米カリフォルニア州に本社がある電子機器設計の世界大手。
　買収資金は現金と主要取引先銀行からの融資で賄う。