有料

紅イモ不足解消へ新肥料 JAおきなわ 3割増収期待


紅イモ不足解消へ新肥料 JAおきなわ 3割増収期待 紅イモ不足解消を目指すJAおきなわの山城敦志次長(中央)と前川力也氏(左端)、製造を手がける琉球肥料の福原浩常務(右から2人目)、金城保氏(右端)、名嘉眞紫苑氏=27日、那覇市壺川のJA会館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 JAおきなわ(前田典男理事長)が、県内の紅イモの8割近くを占める品種「ちゅら恋紅」向けの新しい肥料「いも専用2号」(琉球肥料製造)を販売している。既存のイモ専用の肥料よりもチッソの含有量を多くしているのが特徴で、約3割の増収が期待できるという。
 27日に那覇市のJA会館で会見したJAおきなわ農業振興本部生産資材部の山城敦志次長は「沖縄といえば紅イモのお土産だが原料不足が続いていた。今回の肥料が紅イモ不足の解決につながってほしい」と話した。
 ちゅら恋紅は、お土産の菓子などの原料として使われる品種として県内で広く栽培されている。しかし、コロナ禍による観光需要減少や基腐(もとぐされ)病のまん延で、紅イモ農家の離農が増加。コロナ禍が落ち着き観光需要も回復したが、紅イモの供給が間に合わず、昨年4月には土産品の菓子が品薄になるなど影響が出ている。
 「いも専用2号」は、ちゅら恋紅が肥料のチッソ成分を増やすことで増収するという県農業研究センターの研究成果に基づき開発された。製造を手掛ける琉球肥料の金城保氏は「長年、肥料製造に携わってきたが、ここまでの増収はめったにない」と話している。
 県内JA各店舗にて注文を受け付けている。1袋20キログラム入りで税込み2536円(離島は異なる)。 (玉寄光太)

紅イモ不足解消を目指すJAおきなわの山城敦志次長(中央)と前川力也氏(左端)、製造を手がける琉球肥料の福原浩常務(右から2人目)、金城保氏(右端)、名嘉眞紫苑氏=27日、那覇市壺川のJA会館