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「シームレスせん」シリーズ せんとパッキン一体化 荻田 比呂さん 象印


「シームレスせん」シリーズ せんとパッキン一体化 荻田 比呂さん 象印 象印マホービンの「シームレスせん」シリーズの「SM―ZB48」
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 パッキンを付けたり外したりする手間がなく、洗いやすい―。象印マホービンのステンレスボトル「シームレスせん」シリーズは、ふたの内側のせんとパッキンを一体化した。外す必要がないため付け忘れることもない。
 2020年、業界初の商品として発売。今年4月時点で累計出荷本数は650万本を突破した。販売価格は、容量480ミリリットルの「SM―ZB48」が3608円。
 一般的な水筒は、水漏れを防ぐためにふたと本体の間に、取り外し可能なパッキンを挟み込む構造だ。だが洗うたびにパッキンを外す手間がかかり、付け忘れたり、ずれて漏れたりするのが悩みの種だった。
 「家族が1人ずつ水筒を使い、洗い終わって『このパッキンは誰の水筒のもの?』と迷う人も。企業として何ができるか、長年考えていました」
 付け忘れ防止ができるタイプを開発したこともあるが、装着の手間が複雑に。利用者の意向を探るうち「シンプルな構造」が大事だと気付いた。「基礎研究の成果で一体化が可能になりました。これが求められた答えだと商品化を決めました」
 アンケートでは97%が「満足」と回答。片手で開けられるワンタッチ型や持ち手があるタイプ、スープジャーなど幅広い年代に合わせた商品がそろう。「快適に使えて日々の水分補給に便利です」。香川県出身。26歳。