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平和考える視点持って/北方領土視察/児童生徒、学びを発表


平和考える視点持って/北方領土視察/児童生徒、学びを発表 北方領土視察での学びを発表した県内小中高校生と関係者=3日、那覇市の那覇青年会議所会館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2023年12月に県内の小中高校生18人が北海道根室市などを訪れ、北方領土問題を学んだ「北方領土青少年等現地視察支援事業」について3日、那覇市の那覇青年会議所会館で報告会が開かれた。参加した小中高校生が、現地での学習を通して感じ取ったことをスライド資料を使いながら発表し、互いの学びを共有して深め合った。相互理解の大切さや、問題を広く共有するために自分なりに行動することの決意が多く語られた。
 研修は23年12月26~29日、根室市などで色丹(しこたん)島出身の得能(とくのう)宏さんから話を聞いたり、北方領土問題の出前授業などを実施している根室高校2年生の佐藤紅羽(くれは)さんや宮崎県の視察団と交流したりした。
 那覇市立寄宮中3年の大城奈子さんは「知識を認識に変えていくことが大事だと思った。自分にできることは何かを考え続け、認識したことを広げていきたい。佐藤さんのように出前講座はできなくても、情報発信者として身近な人に現状を伝えることはできる」と語った。
 宮古市立北中3年の吉田百花さんは「いろんな意見があって難しいが、小さな行動を積み重ねていきたい。まずは研修で得た知識や思いを、家族や友人に伝えた。とても小さな行動だができることはある」と決意を語った。
 北方領土問題研究教育者会議代表理事の長嶺明浩さんは「机上で学ぶことと、実際に現地で体験学習することは全然違う。領土問題はひとごとじゃない。平和を考える視点を持って」と子どもたちに呼びかけた。 (嘉数陽)