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「創造的教育」へ議論 奈良教育大小の処分巡り


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 奈良市の国立奈良教育大付属小で、定められた教科書を使わないなど国の学習指導要領に沿わない授業が実施され、校長らが処分された問題を巡り、同校教員や教育の専門家らが3月31日、市内で集会を開き「独自の創造的な教育を守ろう」と意見交換した。
 参加した名古屋大の中嶋哲彦名誉教授(教育行政学)は付属小側の姿勢について「これまで積み上げられてきた実践的な教育の否定であり、全国の教育現場を萎縮させかねない」と指摘した。
 同校の教育方針に共感し、娘を通わせているという40代の女性は「国指針に沿わなければ不適切となるのか。教員らを切り捨てるような解決策は、児童にとっても望ましくない」と訴えた。
 付属小では、複数教科で授業時間が不足していたほか、履修漏れや教科書の不使用が判明。大学によると、指導の研究が盛んにされており、独自の教材を優先して使用したことなどが原因という。教員の入れ替えが少ないことも一因だとし、改善策として他校への出向も示している。