文部科学省のGIGAスクール構想の今後を考える講演会「学校DXの現状と課題、そして未来へ」が8月14日、西原町の琉球大学で開かれた。文科省のICT活用教育アドバイザーなどを務める平井聡一郎さんが今後のICT教育に必要な視点や取り組みなどについて語った。
平井さんはGIGAスクール構想の目的について、先生が教える従来的な授業を、児童生徒が自ら学ぶ「主体的・対話的で深い学び」につなげる狙いがあったと説明。現状は「ICT機器は多く使われるようになったが、授業は従来型のままになっている」と指摘した。
ネクストGIGAに向け文科省は、教員も含めた1人1台端末の徹底やネットワーク環境の整備、校務や授業でのICT活用の浸透、子どもたちのインターネットを活用した調べる力やタイピング能力の向上など、数値目標を定めて実現を求めているという。
ICTを巡る現状について平井さんは「親も先生も自分の経験では語れない世界になっている」と強調。生成AIについても、教員がまず使って有効的な利用方法や課題を知ることが大事だと述べた。「実態として子どもたちは既に生成AIに触れている。先生が使っていないと話にならない。学校だけで難しければ民間の支援を受けるのも必要だ」と訴えた。
最後に平井さんは「授業が変われば学校が変わる。学校が変われば子どもたちの未来が変わる」と学校現場でのICT利活用推進を呼びかけた。
(外間愛也)