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パラオの今 伝える JICA研修参加教員ら


パラオの今 伝える JICA研修参加教員ら パラオでの研修で学んだことを報告する教員ら=8月21日、県教育庁
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 JICA沖縄の教師海外研修でパラオを訪れた県内小中学校の教員6人が8月21日、県教育庁を訪れ、研修で学んだことを報告した。教員らは今後、研修の成果を教材としてまとめ、パラオの歴史や自然、産業などについて児童生徒に伝える。
 當銘絵里香教諭はパラオの教育について報告した。4年制大学がないため人材が海外に流出している現状や教員不足などの課題もあるが、真剣に授業を聞く子どもたちの姿に「学びたいという子どもの思いは日本や沖縄と変わらないと感じた」と語った。
 パラオの戦争の歴史や平和について説明したのは仲松友美教諭。第2次世界大戦時、日本の統治下にあったパラオは激戦地となり、今も戦車や飛行機の残骸、日本軍総司令部の跡が残っていることなどを伝えた。「沖縄だけでなく海外の戦争も子どもたちに伝えないといけないと感じた」と感想を述べた。
 教員らはほかにパラオの文化や産業、自然、住んでいる人々などについても報告した。報告を聞いた半嶺満県教育長は「皆さんの情熱が伝わってきた。教員は子どもの心に火をともすことが大切。現地で学び感じたことをぜひ子どもたちに伝えてほしい」と激励した。 (外間愛也)