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伝統菓子「きっぱん」歴史学ぶ 店主の謝花さん、那覇高で授業


伝統菓子「きっぱん」歴史学ぶ 店主の謝花さん、那覇高で授業 謝花きっぱん店店主の謝花ひさのさん(左から2人目)の講話後、ラズベリー味の冬瓜漬を試食する那覇高校の生徒ら=11日、那覇市の同校
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 琉球伝統菓子を知ってもらおうと、那覇高校は9~13日、琉球王朝時代の伝統菓子を製造販売する、謝花きっぱん店店主の謝花ひさのさん(47)を講師に招き、家庭科の特別授業を開いた。11日は1年6組の40人が参加し、数種類の県産ミカンが原料の「きっぱん」と、トウガンと砂糖を煮詰めた「冬瓜(トウガン)漬」について学んだ。
 謝花さんはきっぱんと冬瓜漬が、かつては琉球王朝への献上品だったことを紹介した。伝統菓子の歴史と文化を守りながらも、新しい食べ方を提案していると説明。「今を生きる私たちがおいしいと思うものも作り続けないと、伝統は続かない」と話した。講話後は試食もあった。ラズベリー味の冬瓜漬もあり、生徒は興味深そうに食べ比べをしていた。
 末吉桃さん(16)は「伝統あるお菓子が身近な場所で作られていて驚いた」と話した。松川るなさん(16)は「普段口にするお菓子とは食感や味が違った。家族や友達に紹介したい」と語った。
 授業前に実施した、2種類の伝統菓子の認知度を調べるアンケートでは、1年生394人のうち「知らない」と回答した生徒がほとんどで、きっぱんが383人、冬瓜漬が382人だった。
 同校では今後、生徒有志が謝花きっぱん店の工場見学や作業を手伝う予定。冬瓜漬やきっぱんを使ったレシピの考案にも取り組み、学びを深める。 (高橋夏帆)