希望へ一歩ずつ きょう大みそか


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火災後、再びライトアップされた首里城公園を訪れる人々=30日、那覇市首里の同公園(喜瀨守昭撮影)

 2019年もいよいよ大みそかを残すだけとなった。天皇の代替わりで平成から令和の時代が幕開けした今年。2カ月前の10月31日には那覇市の首里城正殿など8棟が焼ける火災が発生し、県全体が大きな喪失感に包まれた。悲しみは深く、心の傷はまだ癒えそうにない。それでも再建を望む声や支援は県内だけでなく県外、海外からも寄せられた。下を向いてばかりではいられない―。一歩ずつ前に進んでいる。

 年が明けると沖縄戦から75年の年を迎える。多くの戦争体験者が鬼籍に入り、記憶の継承がますます困難になっている。今年2月の県民投票で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の埋め立て工事に「ノー」を突きつけたが、政府は知らんぷり。昨年の観光客が1千万人の大台を突破するなど明るい話題も増える中で、過重な基地負担は残ったままだ。