
「フェードカット」と呼ばれる髪型の世界的なブームを背景に、独自の技術とセンスを発揮する理容師を「Barber(バーバー)」と呼んで見直す動きが活発になっている。1月13日に横浜市で開催されるアジアナンバーワンのバーバーを決める大会に、那覇市田原の理容店「ヤング田原店」の理容師、玉城立希さん(22)=同小禄=が出場する。玉城さんは「優勝して沖縄でのバーバー人気を盛り上げたい」と意気込んでいる。
サイドをバリカンで刈り上げるフェードカットは黒人男性の間で好まれていた髪型で、黒人男性の活躍が目立つバスケットボールやヒップホップ音楽の人気とともに世界的に広がった。
刈り上げのグラデーションのつけ方などに理容師の技術とセンスが反映されるため、フェードカットを得意とする理容師は「バーバー」と呼ばれ、注目を浴びるようになっている。こうしたブームは県内にも広がりつつある。バーバーとしての技術力を競う大会が開催されており、バーバーの看板を掲げる理容店も増え始めた。
玉城さんは中学校時代からバーバーの世界に憧れ、18歳で理容師の免許を取得。海外から投稿されたインターネットの動画などを参考にしながら技術とセンスを磨いてきた。2019年12月に県内の大会で優勝。都内で行われた全国大会でも準優勝し、20年1月13日に横浜市で行われるアジア大会「World Barber Classic(ワールド・バーバー・クラシック)」の出場権を手にした。
「自由にやらせてくれる環境を与えてくれた店長や応援してくれる仲間の存在が大きい」と玉城さん。大会当日には兄の大世さん(25)はじめ、親族や同級生らが駆け付けて韓国や台湾、日本各地から集まったバーバー12人と競う玉城さんに声援を送る。玉城さんは「必ず優勝する」と愛用のバリカンを握りしめた。(安里洋輔)