首里城再建核に周辺のまちづくり 城間那覇市長新春インタビュー 公約の通院費無料化は21年度までに


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2019年を振り返り、20年の展望を語る城間幹子那覇市長=12月27日、那覇市役所

 城間幹子那覇市長はこのほど、琉球新報などの新春インタビューに応じた。2019年を「首里城焼失は衝撃的だった」と振り返り、首里城だけでなく首里地域のまちづくりの観点から復興に取り組む考えを示した。公約に掲げている中学3年生までの通院費無料化については「21年度までに実施したい」と述べた。

 ―19年はどのような年だったか。20年の展望は。

 「『禍福はあざなえる縄のごとし(幸福と不幸は交互にやってくる)』といわれるように良いことも残念なこともあった。県内経済は好調で沖縄都市モノレールの延伸も大きかった。10月31日の首里城焼失は非常に衝撃的だった。お見舞いの言葉やさまざまな支援を頂き、皆さまの首里城に対する思いを実現するのが私の役目だとの思いを強くしている。これからも市政運営は『協働によるまちづくり』を柱にする。校区まちづくり協議会は12校区目が先日立ち上がった。全部で36小学校区あるので3分の1に達した。地域の皆さんが協議会の有効性を感じていると捉えている」

 「ハード面では那覇文化芸術劇場なはーと(新市民会館)の整備が進み、第一牧志公設市場が仮設市場に移転した。のうれんプラザ周辺の開発も市営住宅や保育所などが今後整備され、市街地の活性化につながると思う。20年はプロ野球巨人のキャンプ10年目、(21年は)市制100周年もあり希望を持って頑張りたい」

 ―首里城の再建・復興については那覇市に対する期待も大きい。

 「首里城は国の上物(施設)で県の管理だが、関連する円鑑池や弁財天堂、中城御殿、御茶屋御殿など首里全体のまちづくりとして那覇市は関われると思う。首里城の再生と一体的なまちおこしを頑張りたい。御茶屋御殿、中城御殿の再建はこれまでも首里地域から要望する声が大きかった。このタイミングに動かせないかというところだ」

 ―待機児童解消への取り組みは。

 「待機児童を極力ゼロにするため、保育施設の定員を増やしてきた。(施設がまだ少ない地域もあり)細かなニーズに対応しているところだ。今は保育士不足という次の段階に来ている。保育士は離職者も多く、どう防止できるか関係者と話し合い、必要な対策を取る。20年度末をめどに待機児童解消を計画している」

 ―中学3年までの通院費無料化の進捗(しんちょく)は。

 「通院費の拡充については、県が市町村の財政にかかわらず県内で統一性のあるサービスを目指している。県のたたき台はまず小学校卒業まで無料化し、その後に中学校卒業まで拡充するという2段階のスキームだと聞いている。那覇市としてはできるだけ早く、21年度までに現物給付で中学3年までの通院費無料化を実施したい」