豚は沖縄文化なのに… 沖縄で豚コレラ感染、県民に広がる衝撃と不安 拡大防止願う


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豚舎内で豚コレラの対応を行う防護服姿の作業員=8日午後4時ごろ、うるま市

 沖縄そばや三枚肉、テビチ、ソーキ汁、ミミガーなど沖縄料理に欠かせない“県民食”の豚肉。県内で34年ぶりに豚コレラ(CSF)に感染した豚が見つかった問題は県内の消費者にも衝撃を与えた。「沖縄の文化なのに」「口に入れるのは抵抗がある」「育てるのも大変だったはずだ」。不安や影響を懸念する声のほか、畜産農家を気遣う声が入り交じる。

 名護市のスーパーで買い物をしていた主婦の島袋よしみさん(60)=同市=は「口に入れるのは抵抗感がある」として、「職場近くにアグーの養豚場がある。拡大しなければいいが」と不安げに語った。

 新聞で一報を知ったといううるま市の桑江孝さん(70)は「豚は沖縄の文化だ。県内の畜産業に影響が広がることを心配している」と表情を曇らせた。「県は早めに対応し、県全体に広がるのを防いでほしい」と願った。

 那覇市の繁華街を散歩していた仲本トミコさん(75)=同市=はニュースを知り「アッシャヨー」と絶句。「野菜炒めとかそばとか何にでも使う。沖縄料理は豚肉を使うものが多い。感染が広がらないでほしい」と語った。

 昨年10月に沖縄都市モノレールが延長した浦添市前田の自治会長・石川仁孝さん(65)は「豚肉は沖縄の食文化の中心で、観光客へのイメージ悪化が心配だ。風評被害に負けないように、冷静に対応しないといけない」と話した。