沖縄戦動員の師範学校男子部「学徒名簿」公開 死亡日時、場所も


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新たに公開された沖縄師範学校男子部の「学徒名簿」

 沖縄戦に動員された沖縄県師範学校男子部の学徒の名前や部隊名、住所などを示した「学徒名簿」がこのほど、国立公文書館で公開された。資料は1950年代に援護法の適用を求めるために作成された可能性がある。那覇市立松城中学校の大城邦夫教諭が資料請求し、20日、報道陣に公開した。

 資料には学徒として動員され、犠牲となった200人以上の所属部隊や亡くなった日時、場所、遺族の名前などが示された「部隊編入者名簿」など複数の資料がひとつづりとなっている。

 名簿によると、鹿児島県奄美大島や与論島、沖永良部に本籍のある生徒が6人、広島県に本籍のある生徒が1人含まれていた。

 志願して入隊するなどして「学徒隊」の枠組みには含まれない生徒の64人の名簿も含まれていたほか、師範学校女子部の生存者の名前を記した資料もあった。大城教諭は「戦後75年の節目でもあるので、さまざまな場面で活用してほしい」と語った。

 沖縄戦の学徒隊について詳しいひめゆり平和祈念資料館の普天間朝佳館長は、師範学校男子部の名簿について「名簿の数は(同校の)同窓会がまとめた数と合致する。亡くなった日時や状況など詳細な情報を見ることができる点で、貴重だと思う」と語った。