宮古島でガス発電を計画 沖縄電力 LNGの貨物船輸送は全国初の事例にも


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液化天然ガス(LNG)の小規模海上輸送についての検討会であいさつする沖縄総合事務局開発建設部の石原正豊港湾空港指導官(中央)=20日、那覇市おもろまちの沖縄総合事務局

 沖縄電力(本永浩之社長)が、宮古島市で液化天然ガス(LNG)を用いた発電を計画していることが20日に分かった。液体物を運ぶタンクコンテナにLNGを積載し、本島から宮古島まで定期貨物船で運ぶ燃料輸送の方法を想定している。実現すれば全国で初めての事例になるが、一般港湾では危険物の積み降ろし量に規制があり、輸送の課題を克服する必要がある。

 同市平良荷川取にある宮古第二発電所に、LNGと重油のどちらも燃料に使えるデュアル・フューエル(二元燃料)発電機2機を導入し、2021年度中の稼働開始を予定している。海上輸送の課題が解決すればLNGで発電する。

 LNG発電は石炭や重油に比べて二酸化炭素などの排出が少なく環境性能が良い。宮古島市には現在、三つの発電所に計9基の発電機があり、燃料は全て重油を使っている。発電機の更新時期に合わせて、デュアル・フューエル発電機の導入を決めたという。

 20日に那覇市の沖縄総合事務局で、海上輸送の課題を話し合う検討会が開催された。国や県、沖電のほか那覇港管理組合、日本郵船など関係機関が出席した。港湾での積み降ろし量に規制がある制度内でどのような運用ができるかや、LNGを積んだタンクコンテナの港での保管方法などについて議論していく。

 沖電は宮古島市でメリットを確認できれば他の離島での導入も検討する方針という。沖縄総合事務局開発建設部の石原正豊港湾空港指導官は「前例のない試みだが、今後は全国的に離島での小規模なLNG利用が増えてくると思う。モデルケースをつくっていきたい」と話した。