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新型コロナウイルスの感染が沖縄でも広がっています。残念なことに、感染者へのバッシング【※1】も発生しています。
沖縄県内でも、3月に感染が確認された10代の女性に対し、脅迫めいた電話が3件、県教育委員会にかかってきたとのことでした。
※1 バッシング … 他の人を、度を超えて非難すること。SNS時代では、みんなの気軽な発信が積み重なって、当事者を深く傷つけることになります。
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後になって「そうなると思った」「あぁしておけば良かったのに」などと言うことは「後知恵バイアス」【※2】です。
後知恵バイアスを基に、感染者をバッシングすると良いことをしたようで気持ち良くなるかもしれませんが、感染をなかったことにはできません。
むしろそのような社会では、体調不良を言い出せず、結果的に感染が広がってしまうことも考えられます。
※2 後知恵バイアス … 物事が起きた後から「そうなると思っていた」と思ってしまうこと。結果が分かってからだと、人は何ともでも言えるものです。テレビゲームで敵に倒されたとき、見ていた友達が「やられると思っていたよ」と言い出すと少しモヤッとします。
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西原町は7日、町内から感染者が出たことについてツイッターで「検査で陽性と判定された方も、望んで感染したわけでもなく本人の不注意によって感染したものでもありません。そのことをよくご理解頂き、町民の皆様へは、落ち着いて冷静な対応をお願いします。」と投稿しました。
まさにその通りです。
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新型コロナに限らず、トラブルなどに巻き込まれた人に対して後から「お前はなんてバカなことをやったんだ」と説教するのは簡単です。
しかし、365日24時間完璧な行動を取っている人はいないでしょう。
バッシングが横行する社会では、皆が他者への監視を強め、いずれは自分の元にその「牙」が向かってくるでしょう。
どうか、バッシングをしないように。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。