自粛解除、バイキングは手袋で 「ジムはライフライン」リハビリ男性笑顔


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◇バイキング 対策十分「安心して」

営業再開したバイキング「アレッタ」ホテルロコアナハ店のコロナ感染予防対策を説明するりゅうせきフロントラインの宜保唯司料飲支配人=21日、那覇市松尾

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、臨時休業していた沖縄県内ホテルのランチバイキングも再開の動きが出始めた。那覇市松尾のワールドグルメバイキング「アレッタ」ホテルロコアナハ店は21日、約1カ月半ぶりに営業を再開した。来店客の検温や座席間の距離を取るなど、工夫を凝らした感染予防対策に取り組んだ。

 同店は3密を回避するため、最大収容人数を臨時休業前の143人から50人に減らした。ビニール手袋とマスクの着用でバイキング料理を取ってもらうなど、対策をきめ細かく決めた。

 31日まで臨時休業する予定だったが、県の緊急事態宣言の解除や、客からの問い合わせが相次いだため営業再開を早めた。宜保唯司料飲支配人は「これからはコロナと共存していかないといけない。いろんな予防対策をするので、安心して料理を楽しんでもらいたい」と述べた。

◇スポーツジム 久しぶりの汗に笑顔

久しぶりに汗を流す利用者ら=21日午前、那覇市西のスポーツパレス・ジスタス那覇

 休業要請が出されていた県内スポーツクラブも21日までに営業を再開した。那覇市のスポーツパレス・ジスタス那覇は同日、感染防止策を徹底し、約1カ月ぶりに営業を迎えた。利用客らは久しぶりに汗を流し、喜んでいた。

 午前9時の開店時間前から、マスク姿の利用客が次々に訪れた。入り口では検温、アルコール消毒などを実施した。密接を防ぐため、トレーニングジムでは、無人のランニングマシンを挟んで利用させていた。客は筋肉を鍛える器具を使用した後、支給されたタオルと常備された除菌液で拭いていた。

 職員はマスクの着用を常時求め、マスクを外していた客に協力を求めていた。宜保暁支配人は「マスク着用による運動で過度な負担もかからないよう注意を払い、お客様の安全確保に努めたい」と気を引き締めた。

 がんなどの手術を受け、リハビリの一環で訪れた60代男性は「運動ができる場は重要なライフラインの一つだ。久しぶりなのでうれしい」と笑顔を見せた。

◇博物館・美術館 入り口で体温測定

非接触タイプの体温計で来館者の体温を測定する職員=21日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、4月10日から臨時休館していた県立博物館・美術館は21日から開館した。42日ぶり。

 同館職員は来館者にマスク着用を呼び掛け、入り口で非接触タイプの体温計で1人ずつ体温を測定するなど、感染拡大防止策を講じた。平日で雨天だった同日の来館者は比較的少なめだったが、県内外から人々が訪れ、展示に見入っていた。同館は、展示室内では人との距離を2メートル程度空けて鑑賞するよう呼び掛け、展示室内の混雑を避けるため、やむを得ず入場を制限する場合もあるとして理解を求めている。

 展示室入り口付近などに消毒液を設置し、館内のドアや手すり、エレベーター、トイレなどは消毒液による清掃を頻繁に実施する方針。情報センターやふれあい体験室など一部施設は31日まで利用を中止する。

 歴史や民俗などの展示を見ていた仲程勝哉さん(31)=うるま市=は「人との距離も気をつけるなど、対策をすることで安心して見られる」と話していた。