沖縄県内初の小学生感染 情報入り交じり、保護者に広がった驚きと混乱


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 【中部】沖縄県内で初めて小学生男児の新型コロナウイルス感染が確認されたことを受け、男児が通う小学校の保護者や、自治体の住民からは驚きと不安の声が上がった。新型コロナの感染状況や健康状態を確認するために、子どもたちを対象にしたPCR検査の実施を求める意見もあった。

 男児と同じ学校に通う息子がいる女性は、学校から午後3時42分に届いた連絡で新型コロナの感染について知った。「ニュースで見てどこの学校かと思っていたところだったので驚いた。男児の体調も心配だ」と語る。学校から連絡が来た後は、保護者間でたくさんの情報が行き交ったという。「感染経路もまだ分からないので、子どもと接触があった場合は(自身の)仕事にも影響が出る」と話し、早急な情報公開を求めた。

 当該自治体内の別の小学校に5年生の娘を通わせる40代女性も、コロナ禍以前の生活に戻りつつあった中での感染に驚きを隠せない。「濃厚接触者の洗い出しはもちろん大事だが、一番は(子どもたちに)PCR検査を受けさせ、医学的に安全を確認することが望ましい」と強調した。

 本島中部の学校の校長は「もはやどこで出てもおかしくない」と受け止める。学校では米軍属の子どもが感染を気にして休んでおり、保護者や学校内は神経質になっているという。休む子どもたちのために、例年の行事日程を見直して運動会や修学旅行を実施する計画だったが「それも厳しくなりそうだ」と肩を落とした。

 男児の感染が確認された自治体に、隣接する自治体で勤務する男性教員(34)は「米軍基地で働く保護者がいる児童も多い。基地での爆発的感染で、いずれは子どもたちにも感染者が出るだろうと思っていた」と話す。学校が再開した5、6月ごろに比べるとマスクの着用など感染防止のための行動も緩んでいた部分があるという。「改めて警戒を強めないといけない」と訴えた。