「君の責任じゃない」 子の感染、心のケアと正しい知識が大切 教育関係者らが指摘


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 新型コロナウイルスの子どもへの感染が県内で相次いで確認される中、教育関係者からは子どもが感染した場合の対応策を進めることや、臨時休校などに伴い心のケアを充実することが不可欠だとの指摘が上がる。

 県PTA連合会(県P連)の伊禮靖会長は「社会を動かせば感染者は出る。感染した子への『つるし上げ』が起きないよう、感染した場合に、気遣いを持って学校生活を送る環境を整える必要がある」と強調した。県P連は週明けにも、感染がいじめなどの事態を招かないよう保護者に呼び掛ける文書を出す方針だ。

 琉球大教職大学院の丹野清彦教授は「いじめは不安や不満のはけ口や、知識のない偏見に基づき起きる。知識の力で乗り越えることが大事だ」と話す。観光県の沖縄は不可抗力でウイルスが持ち込まれ、誰でも感染のリスクがあることに触れて「ウイルスの不安に対する正しい知識を教室で教えることが大切だ」と指摘した。

 感染がいじめを引き起こす可能性があることについて、丹野教授は「責める方にも学校や部活を休みたくないという望みが潜んでいる。感染拡大の中で何ができるかを、子どもと大人が一緒に考えることも大事だ」と述べた。感染した子どもに対して「『君の責任ではない。君は感染しないように一生懸命努力した』と伝える必要がある」と強調した。その上で「教師には子どもたちへの観察力がより求められる」と話した。