「夜の街」からの感染拡大を警戒 県の専門家会議「店の協力必要」


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沖縄県庁(資料写真)

 7月に入り、沖縄県内で新型コロナウイルスの感染者が再拡大の兆しを見せている。4月末までの感染拡大では、緊急事態宣言の発令で休業要請が出されるなど県民の行動は制限されたが、現在は社会経済活動を維持する中で「夜の街」での感染拡大が懸念されている。感染の広がりがこれまでとは異なる様相も見せており、27日夜に開かれた専門家会議でも警戒する声が上がった。

 27日現在、県内では「夜の街」に関連するクラスター(感染者集団)は確認されていない。ただ、アルコールを提供する同じ店舗内で、4人の感染が確認されたことが判明している。他にも飲食を通じて感染し、二次感染が広がる例があるなど、飲食店を介した感染事例も確認されている。

 「夜の街」に起因する感染が増加することで懸念されるのが、濃厚接触者の特定が困難になることだ。県外では、感染者が自らが訪問した店舗を正直に言わないケースがあるという。専門家会議でも「夜の街」に対する呼び掛けが必要だとの声が上がった。出席した国吉秀樹衛生環境研究所長は「調査については、しっかり協力をお願いしますということだろう」と述べ、濃厚接触者の特定といった追跡調査などへの協力が必要との認識を示した。