高校生が食料支援 寄付募り地域社協へ


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 新型コロナウイルス感染症の影響で食料に困る世帯を支援しようと、県内の高校生が地域の大人を巻き込んだ「MUGムグフードプロジェクト」が活動を続けている。食料の寄付を募り、仕分けをして地域の社協などに寄付する。7月25日には4回目となるプロジェクトが那覇市の新都心メインプレイスであり、風通しの良いオープンモールテラスで食材を受け取った。

「MUGムグフードプロジェクト」で寄付の食品を受け取る若者たち=25日、那覇市の那覇メインプレイス

 代表を務めるのは那覇国際高3年の平敷雅さん(19)。昨年10カ月間の県費留学中、米国で高校生が主体的に寄付活動を行うのを目の当たりにし「沖縄にも根付かせたい」と刺激を受けた。

 コロナ禍のため、予定より2カ月早い3月に帰国すると、地域では収入が減り、食べ物にも困る人がたくさんいると聞いた。「こんな時期に人が集まるのは危ない」とも言われたが「万全を期して、できることをやろう」と留学生仲間や経験者の大学生に呼び掛けて「MUGムグ―」を結成。那覇協働大使の田中洋人さん(53)や地域の通り会の協力も得て活動は広がり、5月以降に那覇市、中部、北部と開催を重ね、那覇市の活動助成金も得た。

 25日はコロナ感染者が再び増え始める中で、スタッフは互いに距離を取り、受け取った食品はすぐに消毒。声を掛け合いきびきびと動き回る若者たちを大人が見守った。

 「知識や専門性は大人が示したが、決めるのは若者たち。子どもがいると大人も力が入るし、子どもと大人のいい相乗効果が出た」と田中さん。留学経験者で琉大1年の屋嘉部方来さん(19)は「一緒に動いてくれる人がいたから『何かやりたい』という気持ちを形にできた」と平敷さんの呼び掛けに感謝し、平敷さんは「賛同し、協力してくれる人たちがいたからこそ実現できた。感謝しかない」と笑顔を見せた。