福祉施設コロナ多数「気を付けても知らないうちに…」「複数施設利用減らして」


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 沖縄県うるま市の社会福祉施設で12日、利用者5人と施設職員2人の合計7人の新型コロナウイルスの感染が判明した。県内の福祉施設では那覇市安謝の「日赤安謝福祉複合施設」施設内の特別養護老人ホームでもクラスターが発生し、計8人が感染。県内で感染が急速に拡大する中、施設外から施設内にウイルスが持ち込まれる可能性が高まっている。福祉施設を運営する関係者の間では市中感染の早期収束を求める声が上がった。

 県は感染防止策の徹底を各施設に呼び掛けるとともに、医療機関の感染症専門の医師と連携し、注意喚起をしている。県の糸数公保健衛生統括監は12日の記者説明で「感染の機会が増えているので、気を付けても知らないうちに施設の中に持ち込んだ可能性はある。そこで従事する人たちに注意喚起をしているが、どうしても(ウイルスが)入り込んでしまうことはある」と述べ、施設外からのウイルス移入の可能性を排除できないとした。

 福祉施設で複数者の感染発生を受け、そのほかの施設は予防に神経をとがらせる。うるま市や沖縄市で有料老人ホームやデイサービスを運営するソーシャルサービス周の石川尚美ケアマネジャーは「利用者には外出に気を付けるよう促し、職員にも普段の生活で気を付けるよう呼び掛けているが、覚悟しながらの運営だ。高齢者へのリスクをなくすため早く市中感染が収まってほしい」と願った。

 うるま市で高齢者向け入所・通所型の介護施設を運営するSYMケアサポートの前泊秀斗社長も「職員はできる限りの自粛に取り組み、施設内に持ち込まないように力を入れている。市中の感染リスクが上がれば、高齢者のリスクも自然と高くなる。情報を共有して防止に引き続き取り組む」と危機感を強めた。

 同市にあるデイサービスの施設長は「どこにでも起こりうると思っていた」と気をもむ。利用者には複数の施設に通っている人もいる。「感染リスクを減らすため、利用施設を一本化してもらうよう協力を呼び掛けている。あらためてこまめな手指消毒とマスク着用の徹底を確認したい」と述べた。