カメラマンや元米兵…コザ騒動の背景を世界の視点で考える オンラインセミナー


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 斎藤 学
当時の様子を語る国吉和夫さん(右下)とオンラインセミナーの参加者ら=20日

 【沖縄】コザ市(現沖縄市)で50年前に発生したコザ騒動について理解を深めようと、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校は20日、オンラインセミナー「コザ騒動を世界の視点で」を開催した。現場となった沖縄市と世界各地をつなぎ、約250人が参加した。写真家の国吉和夫さんが撮影した写真などを通して当時の様子を振り返り、騒動の背景を人種差別や植民地主義などの問題と照らして考察した。

 セミナーは研究チーム「オキナワ・メモリーズ・イニシアティブ」のプロジェクトの一環で実施した。国吉さんのほか、沖縄駐留経験がある退役米兵、県系米国人などが発言した。それぞれの視点から当時の沖縄の置かれた状況を語った。

 退役米兵のスタン・ラッシュワースさんは1963年8月から約2年間、沖縄に滞在した。当時の軍隊内部の人種差別や、人種間の対立について語った。第2次世界大戦後の、米国の植民地主義の問題も指摘した。「米国による、世界規模の植民地主義の一端が沖縄だった」と振り返った。

 国吉さんは基地問題に翻弄(ほんろう)された沖縄戦後史を振り返り、長年の抑圧に抵抗したコザ騒動について「伝えないと風化してしまう」と継承の大切さを強調した。