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米国の識者や元高官らでつくる海外基地閉鎖・再編連合(OBRACC)は4日、バイデン米大統領宛てに、米国外にある米軍基地の閉鎖を求めた公開書簡を発表した。冷戦終結後も世界80カ国近くに約800の米軍基地があり、地域の軍事的な緊張や米国に対する反感を高めたり、現地の環境破壊を引き起こしたりしていると指摘。海外基地の閉鎖は米国の財政負担を軽減し、米軍人やその家族を本国に帰すことで、国内経済に寄与するとしている。
公開書簡には、言語学者のノーム・チョムスキー氏、米外交シンクタンク「クインシー・インスティテュート」代表のアンドリュー・バスビッチ氏、パウエル米国務長官当時に首席補佐官を務めたローレンス・ウィルカーソン元陸軍大佐、外交官も務めたアン・ライト元陸軍大佐らが名を連ねている。
書簡には、軍事技術の発展で、米本土からも迅速な軍隊の展開が可能になったと説明している。一方、中・長距離ミサイルの性能向上で、北東アジアにある米軍の飛行場は攻撃対象となる危険性が高まっていると指摘している。
また、基地からの毒物の流出や、事故、危険物質の廃棄などで、米軍が駐留している地域の自然環境に悪影響を及ぼしているとした。米国防総省は米国内のような環境基準を設けていないため、地位協定によって受け入れ国は環境調査や米軍に対する環境浄化の費用負担を求めることができないと説明している。
書簡はバイデン大統領、ハリス副大統領、オースティン国防長官、サリバン大統領補佐官ら宛て。
バイデン大統領は2月の外交方針演説で、米軍の世界的な展開態勢の見直しを進めると発表したが、アジアの兵力への具体的言及はなかった。
(座波幸代)