「時短 これで最後に」飲食店、収束願い まん延防止措置開始 県と那覇市巡回


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飲食店を巡回する玉城デニー知事(中央)と城間幹子那覇市長(右から2人目)ら=12日、那覇市久茂地のりーさん堂二号店

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、12日から那覇市など沖縄本島の9市でも、まん延防止等重点措置の適用が始まった。感染拡大の波が県民生活や医療現場、産業経済に深刻な影響を及ぼしているとして、県は同日、感染防止対策・認証制度プロジェクトの一環で那覇市内の飲食店を巡回した。県や那覇市の職員など約50人が参加し、久茂地エリアの飲食店にプロジェクトの説明をした。玉城デニー知事や那覇市の城間幹子市長らは、2店舗を回り感染対策を呼び掛けた

 12日午後6時すぎ、那覇市のパレットくもじ前の交差点では自宅に向かう人々が足早に歩を進めた。玉城知事は巡回の出発式で「県民生活と経済活動の接点となる飲食店の感染対策を強化する。継続的な巡回体制を構築し、県民や観光客が安心して利用できる、安全・安心な店舗を増やしていく。対象業種も順次拡大し、安全・安心な沖縄を目指す」と述べた。

 モスバーガーパレット久茂地店では、玉城知事が与那覇浩一店長に感染対策の協力を求めた。与那覇店長は「これまでも時短要請に応えてきた。対策には慣れた」と話す。「先週の月曜日と今日では、お客さまが3割減った。この対策を最後に、状況が落ち着いてほしい」と願った。

 国際通りから少し離れた那覇市久茂地の、居酒屋「りーさん堂二号店」の李植川(リー・ショクセン)店主は玉城知事に店内の感染防止対策を説明した。アクリル板や消毒液を設置するなど、対策を徹底している。「11日は日曜だったが誰も来なかった」と苦しい現状を説明する。それでも「知事から、厳しい時期だが一緒に頑張ろうと声を掛けてもらった。開店時間を早めるなど努力したい」と決意を新たにした。

 りーさん堂二号店で友人と飲食を楽しんでいた、那覇市の40代男性は「仕事が早く終わったから店に来られた。時短要請中は時間が合わず、なかなか店を利用できないと思う。ストレスを発散できる場所がなくなり、疲れそう」と話した。