沖縄・浦添のコロナワクチン誤接種で松本市長が謝罪 5人に生理食塩水のみ注射 健康被害なしと強調


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新型コロナウイルスのワクチン接種で、誤って生理食塩水だけを注射していたことを発表し謝罪する松本哲治浦添市長=16日正午すぎ、浦添市役所

 【浦添】沖縄県浦添市で65歳以上の高齢者を対象に実施している新型コロナウイルスワクチン接種で、15日に5人の高齢者に誤って生理食塩水だけを注射するミスが起きたことがわかった。松本哲治市長が16日、市役所で緊急会見を開いて明らかにした上で、謝罪した。誰に注射したかはわかっていないが、松本市長は生理食塩水は注射しても健康被害はないと強調し、改めてワクチン接種すると説明している。

 ワクチン接種の際に誤って生理食塩水だけを注射するトラブルは奈良県でも発生しているが、県内での発生は初めて。

 市の説明によると、通常、新型コロナウイルスのワクチンは生理食塩水で希釈して使用するが、使用済みのバイアル(瓶)に誤って生理食塩水を注入した。市は、使用済みバイアルと使用前のバイアルが混在したことでミスが起きたとみている。

 再発防止策には、作業工程や作業エリアの見直し、担当者同士の二重チェック体制の徹底などを掲げた。

 市によると、5月15日に市保健相談センターで212人の高齢者がワクチンを接種した。その中で、誰に生理食塩水のみを接種したかは不明。市は国や県、専門家などの助言を踏まえて、3週間後に予定される2回目の接種の前後に212人全員の抗体を調べて、生理食塩水のみを接種した市民を特定する。未接種者は、その3週間後に2回目のワクチンを接種する。

 会見で松本市長は「市民の皆さまに心よりおわび申し上げる。生理食塩水の接種で健康被害が生じる可能性はない。今後は国や県、関係機関と連携し、接種した方に迅速な対応する。二度とこのようなことがないよう対策を徹底し、再発防止に努める」と陳謝した。