国頭の豊かな森、歩いて体感 NHK番組とコラボ企画 


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伊部岳フィールドを散策する参加者らと説明するガイドの中根忍さん=8日、国頭村安田の伊部岳

 【国頭】世界自然遺産登録を目指す奄美大島、徳之島、沖縄本島北部、西表島の小学生を対象に、NHKの番組「ダーウィンが来た!」とコラボして、島の生き物や環境問題について考える企画「ダーウィンがやんばるに来た! ワークショップ~つたえることば つなぐいのち~」が8日、国頭村安田のヤンバルクイナ生態展示学習施設や伊部岳フィールドで開催された。NHK沖縄放送局、国頭村が主催。村内から親子16人が参加し、足元の自然の素晴らしさをあらためて体感した。

 自然ガイドや自然保護活動に取り組む、やんばるエコツーリズム研究所代表の中根忍さん=村安田=が講師を務めた。伊部岳での自然観察や訪問客向けに伝えたいメッセージを記す「看板作り」「お絵描き」などのプログラムを通して環境問題を学んだ。

 中根さんは、ヤンバルクイナ生態展示学習施設ができた経緯を説明した。地域で野生化した犬や猫の状況とその後の対策、安田こども会による環境活動の一環として看板設置などの活動が、施設につながったことなどを報告した。

 中根さんの案内で、伊部岳頂上(標高353メートル)が見える山道途中の広場まで散策した。コモウセンゴケ、アオノクマタケラン、ヒカゲヘゴ、コシダなどの植物の特徴やノグチゲラの生態、森と地域の人々の暮らしとの関わりなどについて学んだ。

 看板作りは、県内外で活躍するイラストレーターpokke104さんが指導した。参加者らは、動物が車にひき殺される「ロードキル」や、ドングリ採取、ペットを捨てることなどの防止や禁止を、看板を通して訴えた。やんばるの生物の絵を描くことを通して「自然の大切さ」も楽しく表現した。

 弟と参加した伊藤美波さん(国頭中3年)は「ワークショップや森の散策に参加し、なぜ私たちが自然を守るのかを深く考えることができた。ロードキルやペットの放置などは、希少動物だけではなく、やんばるに住んでいる私たちの生活環境にも深く関わることだ。一人一人がルールを守ることが大切だ」と感想を話した。(新城高仁通信員)