【深掘り】林芳正外相の横顔 防衛、農相時、新基地関わる


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 1995年に参院選山口選挙区で初当選した林芳正氏は経済財政担当相、農相などを歴任した。2008年8月に防衛相に就任。初閣議後の会見で、米軍普天間飛行場移設に伴う代替施設建設を巡り、県などが日米合意の修正を求めていることに「今の政府案は安全性や騒音などいろいろ考慮し米側と合意した。バランスが保たれている。合理的理由なくして変更するのは難しい」と述べ、政府方針を踏襲してきた。

 農相時代の15年3月に、普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画で、翁長雄志知事(当時)が沖縄防衛局に出した海底作業の停止指示の効力を一時的に停止すると決定した。翁長知事の停止指示に対抗し、「私人」ではない国が行政不服審査の請求ができるのかという法律上の論点や、国と地方自治の在り方について論議を呼んだ。

 今年10月、参院議員から衆院選山口3区にくら替え出馬し当選した。米国の行政大学院への留学経験から「政策通」として知られ、英語は「現地の人並みに堪能」とも評される。岸田派で要職を務め、首相の次のリーダー候補と目される。日米地位協定の改定などの課題にどう向き合うか。日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)に向け、外相の対応が注目される。