沖縄21世紀ビジョン「達成」は36.65% コロナの影響で低評価増加 20年度


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 県企画部は2日、沖縄21世紀ビジョン実施計画で掲げた256の施策について、2020年度の推進状況を公表した。施策の進展度合いを測る成果指標503項目のうち、計画基準値よりも「前進」したのは前年度比5・7%減の76・8%に当たる386項目だった。前進し計画値を「達成」したのは同比9・7ポイント減の36・65%に当たる184項目だった。県は新型コロナウイルスの感染拡大を受け「全体的に評価の高い区分から、低い区分に流れる施策が増加した」と分析した。

 達成した主な成果指標は「離島における新規農業者数(累計)」で20年計画値が991人だったのに対し、実績は1203人に達した。「後退」した主な成果指標は、離島フェアの売上総額で、計画値は6170万円だったのに対し、実績は749万円だった。

 30年までの長期計画「沖縄21世紀ビジョン」で示した五つの将来像に基づいた成果指標の達成割合も示した。579項目のうち、目標を達成できなかった割合は、前年度比11・6ポイント増の計50・8%に上った。

 県は実施計画を検証手法「PDCA(計画→実施→検証→改善)」で毎年チェックしている。20年度案は同日の県振興推進委員会で了承された。

 現行の沖縄計画の最終年度となる21年度の目標値達成について、宮城力企画部長は引き続き新型コロナの影響が見込まれるとして「当初設定した目標値を達成するのは難しい」との認識を示した。

 玉城デニー知事は「今回の検証結果で明らかになった課題や改善策については、22年度からの新たな振計(振興計画)にしっかり反映し、より進化した振興策の展開に全力で取り組んでほしい」と述べた。

 (梅田正覚)