SNSと選挙 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[276]


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モバイルプリンス

 

今月11日、沖縄県知事を決める選挙の投開票が行われ、玉城デニー氏が当選しました。ここまではニュースで頻繁に報じられ、多くの人が知っていると思います。

併せて考えたいことが、今回の選挙も多くのデマや差別的な言動がSNSで飛び交っていたことです。

投開票前は「玉城デニーが当選すると沖縄は中国に乗っ取られる【※1】 」、開票後は「玉城デニーを当選させた沖縄県民はバカ」「沖縄を痛い目に遭わせないといけない」などの投稿が数多く見られました。

 

※1 中国に乗っ取られる … 普天間飛行場の移設を巡って、日本政府と沖縄は長年対立の構図となっているため、「米軍基地を減らすと中国が有利になる」「米軍基地反対派は中国のスパイ」「当選すると中国になる」とどんどんと論理が飛躍していきます。2010年に当選した仲井真弘多氏、14年に当選した翁長雄志氏も「当選したら中国に乗っ取られる」と言われていました。実際、中国に乗っ取られているのか、沖縄に住んでいる皆さんであれば説明しなくとも分かると思います。

 

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選挙のときに、噂話や誤情報・デマが出回ってしまうことは世界中で報告されていますが、こと沖縄の選挙になると量が増え、悪質性が高いのも特徴でしょう。

「ちょっとした勘違い」のレベルではなく、明確な悪意を持った差別投稿も多数あり、日常的に抱えている偏見や差別意識をここぞとばかりにぶつけているんだなと思わずにはいられません。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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一方、県知事選と同じ日に行われた市町村議会選挙には、20~30代の若い世代が多数立候補し、見事当選しています。これらの立候補者の選挙運動はSNSや動画を上手に活用し、楽しく、ポジティブになれる発信をしていました。

「SNSで選挙情報を発信する」という同じ行為でも、一方はデマ・差別、もう一方は選挙が楽しくなる発信。改めてスマホやSNSは使い方が大事だと感じます。

今後、選挙運動のSNS活用は当たり前になってくると思います。そうなった際、正しい選択ができるように、私たちは普段から選挙・政治とSNSの距離感を見ておく必要があります。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 1987年、沖縄市出身。お笑い芸人・携帯電話ショップ勤務の経験を生かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝える。2020年、本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」を出版

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