上地流空手道拳優会(新城清秀会長)は9月24日、嘉手納町のかでな文化センターで、青少年の健全育成と地域貢献を図ることを目的にチャリティー演武会「青少年へ夢と希望を」を開催した。特別演武では玉城デニー知事が登壇し、型や分解を披露した。チケットなどの売り上げから、嘉手納地区防犯協会や嘉手納町人材育成会などに20万円が寄付された。新城会長は「空手を通して地域に貢献し、恩返しをしていきたい」とあいさつした。
拳優会は1960年、嘉手納ロータリー内でトタン屋根の道場から始まった。現在は世界に70以上の道場や団体を有し、門下生は1万人を上回るという。演武会には5歳児~70代の幅広い年代の門下生ら約300人が参加、磨き上げた技と精神を遺憾なく発揮した。力強さとしなやかさを兼ね備えた「三戦」や「三十六」の型の演武や、熱気ある組手が繰り広げられ、会場からは大きな拍手が送られた。
拳優会松崎道場で鍛錬している玉城知事は特別演武で壇上へ。7月に念願の初段へ昇格を果たした。真新しい黒帯を締め「十三」の型などを披露した。きょうだい3人で同会比嘉道場に通う児童(11)は「緊張したけどいい演武ができ、自分の成長を感じた。目標は金メダルだ」とはつらつとした表情を見せた。
玉城知事が特別演武 有段者 公務の合間に稽古
チャリティー演武会で、これまでの修練の成果を披露した玉城デニー知事。大勢の前での演武は初めてだったという。2018年10月に知事に就任し、19年に上地流空手道松崎道場の門をくぐった。目まぐるしい公務の合間を縫って稽古を続け、7月に有段者となったばかりだ。
「十三」と「十三の分解」を演武し、指先まで神経を研ぎ澄ませたような気迫みなぎる動きを見せた。玉城知事は「59歳でゼロから空手を始めた。礼を身に付けることなど健全育成につながる。子どもたちが伝統空手に触れる機会をつくりながら、空手発祥の地沖縄の伝統を末永くつなげていけるように、みんなで頑張っていきたい」と話した。