レジェンドが伸び伸びプレー 沖縄で名球会オールスター戦 土下座で延長突入


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
七回を終え、パ・リーグの東尾修監督(左)に頭を下げて試合の延長を頼み込むセ・リーグの山本浩二監督(手前右)=10日午後、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(小川昌宏撮影)

日本プロ野球界を代表するレジェンドらによる、名球会ベースボールクラシック2022沖縄のオールスター戦が10日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で県内初開催された。パ・リーグが延長八回の末、6-4でセ・リーグに勝利した。オールスター戦は2018年の東京ドーム開催以来4年ぶり。4069人の観客が、スター選手の一挙手一投足に酔いしれた。

セ・リーグは、広島で主軸を担った山本浩二監督(76)=名球会前理事長=が率いた。広島などで活躍した黒田博樹投手(47)が先発。衰えを見せない投球で一、二回を三者凡退として観客をうならせた。厚い選手層で初回と三回に2点ずつを加えてリードした。

パ・リーグは、ライオンズの元エース東尾修監督(72)が自ら先発しマウンドへ上がった。大きく振りかぶって投げ込むが、捕手まで届かず。DHの山本監督は打席の白線より前に出て審判から注意され、会場は笑いに包まれた。選手層は薄かったが、ヤクルトで活躍した古田敦也捕手(57)=名球会理事長=、横浜や広島でプレーした石井琢朗内野手(52)を急きょメンバーに入れ、反撃に出た。五回に1点、六回に6連続安打などで4点を加えて逆転に成功した。

5-4で七回を終え予定通り試合終了と思いきや、山本監督が東尾監督に土下座して延長に突入。パ・リーグは八回に1点を加え、その裏に1死満塁のピンチを迎える。しかし西武や中日で外野手・捕手としてプレーした和田一浩選手(50)が、マウンドで後続を抑えて勝負を決めた。

MVPには、西武などで活躍した松井稼頭央内野手(47)が選ばれた。沖縄の地で伸び伸びとプレーできたことに、松井は「楽しく臨めた」と笑顔を見せた。(金良孝矢)