新型コロナ第7波、1日で6000人超感染<沖縄この1年2022>⑤


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自宅療養者に電話で聞き取りなどを行う管理センターのスタッフら=7月29日、県庁(大城直也撮影)

 2022年も続いた新型コロナウイルスの流行規模は20年や21年以上となり、流行第7波の8月3日には新規感染者が6179人で過去最多を記録するなど、桁違いの様相を見せた。感染後の死亡は今年1月から10月31日までで343人となり、21年の315人をすでに超えている。9月末から一時的な収束を見せたが、11月末以降に再拡大に転じており、年末年始には流行第8波が懸念されている。

 県は今年の流行を振り返り、1月1日から3月29日を第6波、今年3月30日から9月30日までを第7波と定義している。

 いずれの流行時も非常事態宣言のような行動制限はなく、感染力の高いオミクロンの特性もあり、新規感染者だけではなく入院患者も急増した。県内の医療機関は予定手術・検査を延期したほか、一般医療を制限してコロナ病床を確保した。感染者の多さは「数の暴力」とも言われ、夏場は救急外来の待ち時間が5時間以上になり、救急搬送困難事例も例年を大きく上回った。

 7月末には社会福祉施設の施設内療養者が1810人を記録するなど、慢性的な人手不足が続く介護業界にも影響が拡大した。高齢化社会とコロナ死亡の増加が重なり、県内では火葬まで1~2週間の待機が続く異例の事態も起きた。

 県は県経済を支えるため、1~2月のまん延防止等重点措置に関連し、飲食店約1万2千店舗に協力金を支給。県が普及を続ける感染防止対策認証制度の導入店舗は9月現在で飲食業9686店、宿泊業は588店となった。

 しかし、コロナ禍はまだ終わっていない。12月に入り新規感染者は1日千人を超え始めた。県は感染対策とともにワクチンの接種を呼びかけている。ただ、年代別接種率では、3回目は30代以下が40%未満、4回目では50代以下が30%未満となるなど、普及啓発が鍵となっている。

(嘉陽拓也)