戦争に反対する全県組織「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」が25日、発足した。保守・革新を超えた取り組みを目指して幅広い協力を呼び掛け、9月24日に設立報告集会を沖縄市民会館で開催する。事務局によると、11月23日に那覇市の奥武山公園内で参加者1万人以上の県民大会開催を目指し、「沖縄を戦場にさせない」と県内外に広く訴える。
那覇市の教育福祉会館で25日夜に開いた準備委員会を設立総会に位置付けた。75団体・個人が賛同している。今後、県や県議会、各政党、オール沖縄会議、連合沖縄などの労働団体、平和団体に協力を呼び掛けていく。
共同代表に沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松氏、前南城市長の瑞慶覧長敏氏が就任した。女性の共同代表の人選も進める。事務局長は、全県組織立ち上げ呼び掛け人の山城博治氏が務める。
遺骨収集に長年取り組んできた具志堅氏は「沖縄に戦没者の遺骨があるのは、沖縄が戦場になったからだ。再び戦場になれば私たちが被害の当事者になる。戦争を止めないといけない。沖縄を戦場にさせないという一点が目的の会だ」と説明した。
保守・革新や米軍基地への賛否にかかわらず「私たちは戦争に巻き込まれたくないと声を上げる権利がある」と語り、県民が意思表示する場をつくり上げたいと強調した。
準備委員会は、敵基地攻撃能力(反撃能力)保有などを明記した安保関連3文書の閣議決定や、対中国を念頭にした南西諸島での防衛力強化を受け、「ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会」を中心とした呼び掛けで、戦争反対の全県組織設立に向けて会合を重ねてきた。2月に那覇市内、5月に北谷町内で集会を開き、対話による平和構築を求める集会宣言を採択した。
(座波幸代)