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エナジック初優勝 打撃に破壊力、4点差を覆す 県新人高校野球中央大会


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 初優勝したエナジック

 高校野球の第50回県新人中央大会は17日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座で決勝を行い、エナジックが8―6で沖縄水産を下し、初優勝した。沖縄水産が初回に3点、三回に1点を奪い、4―0とリードした。エナジックは三回裏に1点、四回に3点を追加し4―4の同点とした。さらに七回までに4点を加えて8―4と突き放した。沖縄水産は最終九回に2点追加し追い上げたが、最後は抑えられた。今大会で4強入りしたエナジック、沖縄水産、知念、美里工は第73回県秋季大会(9月9日~10月7日)のシード権を獲得した。

決勝 エナジック―沖縄水産 五回1死から逆転となる本塁打を放ち、三塁からホームへ向かうエナジックの龍山暖=17日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座(大城三太撮影)

 エナジックが破壊力のある打撃で0―4から試合を引っくり返した。追い掛ける展開にも「1点ずつ取り返していこう」と皆で前向きに声を掛け合い、打の力で勝利をつかんだ。

 軸となったのは捕手の龍山暖(はるき)だった。三回に相手守備のエラーを誘いチーム初得点につなげ、五回に逆転となる本塁打を放ち、勝利の立役者となった。「チームで積極的にバットを振る役割」と思い切りの良さが結果につながった。七回にも中前への適時二塁打で1打点。チームはこの回3点を奪って沖縄水産を突き放した。捕手としてエースの古波蔵虹太(こうた)をリードし、守備でも要となった。

 要所でナインの判断力も光った。試合では、「一つもサインを出していない」と神谷嘉宗監督。選手個々人が考え、実行するように仕向け、頂点をつかんだ。

 象徴的だったのが七回一死満塁の場面。宮里凱(たのし)はフルカウントまで追い込まれたが、最後は自らの判断でスクイズを成功させて1点を追加した。

 龍山は「試合によって波があり、ミスが出てしまうのが課題。追われる立場になる」と気の緩みは見せなかった。新里哲弥主将は「泥臭く、粘り強い、自分たちの野球ができた。守備の課題を改善したい」とさらなる成長を誓った。
 (大城三太)


▽決勝

沖縄水産
 301000002|6
 00131030×|8
エナジック

(沖)上地、久貝、長崎、鈴木―新城
(エ)古波蔵―龍山
▽本塁打 龍山(エ)
▽三塁打 新田(沖)
▽二塁打 金城(沖)、宮里、古波蔵、龍山(以上エ)